第3回社内アンケート調査の集計結果についてデータ分析をおこないました。
2月に実施しました第3回社内アンケート調査の集計結果についてデータ分析をおこないました。各項目の平均点、合計点の分布は上記のグラフの通りです。
【アンケート項目】
Ⅰ.労働環境[個人についての質問]
Ⅱ.待遇についての満足度[個人についての質問]
Ⅲ.技術面での有効性評価[個人についての質問]
Ⅳ.労働環境[会社全体についての質問]
Ⅴ.会社の理念・方針・業績について[会社全体についての質問]
Ⅵ. 会社の運営手法について
Ⅶ.質マネジメントシステムの12原則[会社全体についての質問]
Ⅷ.長期的な展望
【総評】
(1)Ⅴ項の「会社の理念・方針・業績について」は最も点数が高く、会社の経営理念、品質目標、ISO9001、法令遵守といった会社を運営する為の根幹となる部分では、概ね理解され、支持を得られています。
(2) Ⅱ項の待遇についての満足度[個人についての質問]では、平均点が3.6(72%)と低めの数値になっています。この中で特に有給休暇の取得については最も低い数値となっていますので、有給休暇の取得率を会社が主導して引き上げていく必要があると考えています。特に勤続年数が長い社員は仕事に信頼感がある為業務量が重なる傾向にあるなど、有給休暇を取得できている人とできていない人の差も大きいということも見て取れます。所得の面では、給与や賞与といったメインの所得よりも、諸手当が少なく不満という結果は、大企業に勤めている友人との比較から来るものかと思われ、できる範囲で早急な改善が必要です。
(3) Ⅲ項の技術面での有効性評価では、社内の標準化として、仕事の合間を利用して押し進めてまいりました、「CAD作図標準書」(GY-1)、「積算マニュアル」(GY-3)、あるいは「メーカーリスト」(ML-1)といった、社内基準書が有効に使われていて、業務の効率化に大変役にたっているということが読み取れます。また、同じ弊社の内部資料である「知識技能判定シート」については、現在のままではあまり効果がなく、現実をとらえていない資料ということで、改善が求められています。
(4) 業務量については、Ⅵ項の全体受注量は、ほぼ適正という結果になっていますが、Ⅰ項では個人の業務量や残業量は多いと感じているという人もいるようです。しかし個人に対する質問の仕方やコメント等を見ても、ほぼ問題はないのではないかと思われます。
(5)Ⅳ項の労働環境[会社全体についての質問]については、業務を行うために必要な資材である、機械やソフトウェアに今まで多くの設備投資をおこなって、機材の購入を押し進めてまいりましたので、ほぼ不足しているものは無いと言えます。また、Ⅰ項の労働環境[個人についての質問]のオフィスの美観や立地条件についても高い評価が得られています。
(6)Ⅶ項の質マネジメントシステムの12原則については、質問が難しかったこともあり、項目ごとの数値が大きくばらけていて方向感が見られません。今後アンケートの回数を重ねるごとに、回答者の社員の皆様にもしっかりと理解され、会社としても着目して追いかけていきたい項目です。
(7)Ⅰ項の労働環境[個人についての質問]における「仕事の楽しさ」の項目では、若い社員が多くて仕事の楽しさを感じる領域にはまだ達しておらず、経験不足からくる仕事の苦しさの方が先に立ってしまっていて、低い点数にとどまっているのではないかと推察します。この点については、他の様々な問題点への対策を行い、社員の定着率を高めることによって年月が自然と解決していくのではないかと考えています。
(8)Ⅳ項の労働環境[全体についての質問]における「社員の士気」の点数が低いというのは重要な問題です。これは、P29社員の士気のアンケート調査コメント欄の集計を見ると、「士気が低いのは社長に振り回されていると感じている社員が多いのが原因」といった様な、ISO9001を中心とする様々な会社の改革活動が受け入れられている人と、そうではない人との違いにより温度差が生じていることが1点あります。このことについては、むしろISO9001導入前に解っていたことであり、想定の範囲内であると言えます。今後、「社員の士気」を高めるべくあらゆる活動を行ってまいります。
(9)Ⅵ項の会社の運営手法については、ホームページによる広報活動やISO9001の導入、トップの方針決定の方法等はほぼ理解され、良い評価を受けていると思います。各種コンサルタントの活用についてはまだ理解されていないようで点数は低いですが、これは長期的に見て良い結果がでることを確信しています。
(10)全体を通して社員満足度調査の点数は、平均点75.6点になりました。これは平成27年度品質目標に掲げた平均点の75点を上廻っています。来年度2回ほど実行される、社員満足度調査のすべての平均点が75点を超えていくことを目指して、改善活動を続けてまいります。そして、中期経営目標に掲げた平成30年度には、社員満足度平均点が80点を超えることを次の目標にしてまいります。その為には、5点満点で1点の人の項目を向上させることはもちろん必要ですが、これは少数派ですので全体にはあまり響きませんし、このことに過剰に反応することもないと思います。調査項目の中で最も多い、3点の項目を4点にするということが最も重要なことだと考えます。つまり3点というのは多くの場合「どちらとも言えない」という評価なのですが、社員に会社の向かうべき方向、取っている対策を正しく理解してもらうことによって、4点の「やや感じる」に向上していただくことが全体の平均点を押し上げる効果があります。これが質マネジメントシステムの「全体最適」へとつながる道と言えるでしょう。